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止まらない人口減少による少子高齢化と人手不足

止まらない人口減少による少子高齢化と人手不足

こんにちはOGR事務局です

 

先日、新聞記事に少子化によって大学の受験者数が激減しており、すでに私大全体の半数が定員割れで、約3分の1が赤字という状態だという記事がありました。そこで今回は人口減少が社会に与える影響について考えてみたいと思います。

 

年齢層別人口減少の現状

2023年4月厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所によると2070年までの日本の将来推計人口において、 総人口は、2020年の1億2,615万人から2070年には約3割減少し、8,700万人となるという推計を公表しました。

 

年齢層別の減少状態を見てみましょう。

止まらない高齢化と人手不足

総人口そのものが減少しているのはもちろんのことですが、注目すべきは総人口に占める高齢者人口の割合が急速に増えている事実です。1950 年(4.9%)以降上昇が続いており、1985 年に10%、2005 年に20%を超え、2021 年は29.1%となり、過去最多を記録しました。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35.3%になると見込まれています。

 

35.3%が一気に定年になれば、働き手が大量に退職することになります。それだけではなく、働けない年齢の子供も就労できませんので、働ける世代がより限られます。

働ける20代~50代の貴重な世代が、少子高齢化によって、働きながら高齢者と子供の面倒を見なければならなくなります。

働く世代が介護にかかりきりになったり、子育てのために働くことができない状況になれば、人手不足はより加速します。

 

出典:総務省統計局https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1291.html

 

具体的に起こる問題3点

実際に人口が1億人を切ったら、どのような問題が発生するか考えてみたいと思います。

社会保障の負担が増える

高齢化社会は継続することが考えられますから、若い世代の社会保障の負担は大きくなることが考えられます。

税収が減る

当然のことながら、人口が減れば税収が減ります。税収が増える見込みがないのに、支出が増加を続ければ財政赤字に繋がる可能性があります。

空き家が増える

人口減少が続くということは今まで必要だった物件も、住む人がいなくなり、空き物件が増えるということです。都市部では外国人の投資家が投資目的の為に購入する動きがありますが、それもいつまで続くかわかりません。古い空き家が放置され、取り壊すにも所有者がわからなかったり、その費用をだれが払うのか問題になったりとすでに「空き家問題」は特に地方で顕著になっています。これからさらに深刻化すると予想されます。

 

人口減少への対策

少ない人口で効率的に業務をこなすにはどのような対策が考えられるでしょうか。

IT技術を駆使した省人化

ファミレスで配膳ロボットが注文した料理を運んで来てくれたり、オーダーをテーブルのタブレットでできるようになったりと身近なところでITツールによる業務の効率化が始まっています。これからは人工知能(AI)を組み込んだITツールがさらに少ない人数でも業務を可能にしてくれると期待されています。

外国人人材の受け入れ拡大

閣議決定により、在留資格の更新回数の上限がない特定技能2号拡大が決定しましたが、これからは日本国内で不足している労働力を海外の人材を採用することで確保する必要があります。

隣国も人口減少は問題

少子高齢化問題は中国や韓国でも深刻化している問題です。

厚生労働省による令和4年度日本の特殊出生率は1.26ですが、韓国では0.78と日本よりも深刻です。中国も長年の一人っ子政策によって、人口は伸び悩んでいます。韓国や中国も人口減少対策に乗り出しており、すでに外国人材の採用にも取り組んでいます。

 

外国人材はドイツをはじめとしたヨーロッパや中東でもすでに受け入れており、中国や韓国、台湾といったアジア諸国だけではなく、世界中で必要とされており、すでに取り合いの状態なのです。

 

外国人材に選ばれるために

外国人材に「日本で働きたい」と日本を選んでもらうためには、受け入れ企業はもちろんのこと、自治体でも外国人が住みやすい環境を整える必要があります。

 

出入国管理局によると令和4年6月における在留外国人は296万1,969人となっています。

在留外国人都道府県別TOP5:

1位 東京都  566,525人

2位 愛知県  280,912人

3位 大阪府  262,681人

4位 神奈川県 237,450人

5位 埼玉県  205,824人

 

自治体による取り組み

外国籍人口の多い地域の取組みを見てみましょう。

愛知県の取り組み

・「あいち多文化共生推進プラン」を策定

・愛知県と地元経済界とが共同で創設した「日本語学習支援基金」を元に創設した「公益財団法人愛知県国際交流協会」を中心とした日本語指導の提供

 

外国人人口第2位の愛知県では外国人材の雇用に積極的なトヨタ自動車関連の工場も多いことから、平成25に「あいち多文化共生推進プラン」を策定し、タウンミーティングの開催や教育機関と連携した若い世代との意見交換会など、地域住民と外国人の交流の場を設け県民の声を幅広く反映できるよう政策を打ち出しています。

 

さらに、日本語指導が必要な外国籍住民のために、公益財団法人愛知県国際交流協会を中心とした日本語指導が充実しています。

 

今後特定技能2号が拡大され、家族を日本に呼び寄せることも可能になります。その際、家族の日本語指導の支援があれば、いち早く地域になじむことが可能になります。

神奈川県の取組み

第3位の神奈川県も「外国籍県民への情報提供に関する基本方針」を策定し、多言語支援センターかながわ」を設置することで、多言語による情報支援を強化しています。横浜、川崎、厚木の県内3箇所で外国籍県民を対象に相談を行う「外国籍県民相談窓口」が設けられています。

 

このほかにも全国の各自治体で外国籍住民へのサポートが進められています。

 

多国籍住民との共生

外国人が日本で定住するには言葉の壁だけではなく、ごみの捨て方や、学校の制度の違い、その地域の決まり事など、地域住民との交流がなければわからないこともあります。

日本語支援のサポートはもちろんのこと、地域のお祭りなどの行事に参加してもらうなど外国籍住民との交流の場を設け、地域に馴染んでもらう機会をご検討頂けるといいかもしれません。

 

まとめ

日本の人口減少による少子高齢化によって、日本の人手不足は確実に加速していきます。中国や韓国でも人口減少は大きな問題となっています。働く世代が減るのですから、経済の衰退、国力の弱体化が懸念されます。そのため人口減少問題が深刻化している他国も海外からの人材確保を始めており、人材の争奪戦はすでに始まっています。

 

先月、特定技能2号の拡大が閣議決定され、外国人の受け入れが拡大されることになりました。外国人が日本に定住するには、法整備だけではなく、地域住民との共生という問題があります。地域に根付いて生活するには日本語指導だけではなく、外国人就労者の子供の教育や、外国人だけでは賃貸契約が難しい実態、銀行口座の開設も受け入れ企業のサポートなしには難しいといった細々とした問題の解決が必要です。

 

技能実習や特定技能の場合は監理団体や登録支援機関など相談できる機関がありますので、ご活用頂ければと思います。地域とのつながりは外国人定住の重要な要素ですので、自治体のサポートもぜひご検討頂き、外国籍住民との「共生」を実現することで地域の活性化につなげて頂きたいと思います。

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