お役立ちコラム
特定技能2号拡大 定住への課題とは
こんにちはOGR事務局です。
令和5年6月9日、閣議決定により、特定技能2号拡大が決定しました。
特定技能1号全12業種のうち介護を除く11業種が特定技能2号の受け入れが可能になりました。特定技能2号は在留期間の上限がなく、更新を申請すれば何年でも延長が可能になります。これまで期限付きの「短期就労者」であった外国人熟練技術者が日本で「長期就労者」として定住してくれることが期待されます。しかし外国人の定住にはまだまだ課題があります。今回は外国人定住の課題について考えてみたいと思います。
※「介護」分野についてはすでに現行の専門的・技術的分野の在留資格「介護」があることから、今回特定技能2号拡大の対象分野には含まれていません。
この記事の目次
外国人就労者定住の課題
特定技能2号が拡大して、家族も連れてくることができる、「定住」「永住」への道が開けてよかったね!という単純な話しではありません。外国人が言葉も文化も違う外国で「定住」するということは、日本人が日本で生活していても遭遇しないような「外国人だから」クリアしなければならない問題が少なくありません。
実際に特定技能2号に移行した外国人が家族を日本へ呼び寄せて一緒に生活する場合、どのような問題に直面するのか、考えてみましょう。
給与
これまで単身日本で就労し、出費を抑えて母国の家族に仕送りをしていた外国人就労者が、家族を呼び寄せた場合、家族の生活費分の出費が増えます。母国へ送る必要がなくなったとはいえ、日本で家族が生活するのに十分な手取り金額となる給与が必要です。
特定技能の賃金水準は決して高くはありません。22年の賃金構造基本統計調査によると、平均で月20万6千円。技能実習(17万8千円)を少し上回る程度で、家族を養うには十分とは言えない額です。待遇の改善は課題の一つです。
家族へのサポート
出入国在留管理局はワンストップ型の相談窓口がある250自治体に外国人の生活や仕事の悩みなどを総合的に支援する専門人材を配置するとしていますが、道半ばという状態です。
言葉の問題
日本で特定技能外国人は入国前に日本語の試験がありますし、技能実習から特定技能に在留資格の変更をした外国人ならば、日本語を使って日本で生活していますので、日本語もある程度問題がなく、日本の文化や風習にも慣れていますが、その家族は日本語も文化もわかりません。特に行政手続きは日本語がわからなければ難しい作業です。言葉がわからないと孤立感も生まれますので、日本語教育の場を設けたり、行政手続きの際に同行できる人員を確保したりするなど、サポートを準備しておくといいでしょう。
子どもの教育
母国からこどもを日本へ呼び寄せても、日本語がわからなければ、学校に通っても授業についていけません。しかし日本語ができないからと言って、学習の機会を奪うわけにはいきません。日本に行くと学校で勉強する機会が失われるという理由で、子どもを呼び寄せることを諦める、または子どもの教育の為に日本での就労を終了して、母国へ帰ることを選択する特定技能外国人もいるでしょう。日本での子こどもの教育は大きな課題の一つです。
日本人の保証人が必要な賃貸契約
外国人が日本で家族とともに生活する場合、広めの物件を借りる必要があります。しかし外国人が部屋を借りたいと思っても日本人の保証人が必要な場合が多く、外国人だけで住居の契約をするのは難しいため、受け入れ企業や支援団体のサポートが必要です。
家族が増えた場合、大使館へ届出が必要
特定技能外国人本人、もしくはその配偶者が日本で妊娠、出産した場合にもサポートが必要です。生まれてきた子供の両親がともに外国籍の場合、生まれてきた子供は日本国籍を取得することはできません。出産後該当の大使館に届け出る必要があります。また里帰りをするときに備えて、新生児のパスポートについても問合せておくとよいでしょう。
サポートの充実が必須!
「特定技能2号」と検索すると「特定技能2号拡大」「外国人就労者の定住/永住」「在留期限上限なし」など、一見単身日本で働く外国人就労者にとって、いいことずくめのキーワードが並びますが、実際本当に日本で家族と共に生活するには様々なサポートが必要なのです。
急激な人口減少と深刻な少子高齢化により、日本の人手不足解消に外国人就労者は欠かせない存在です。熟練した技術をもつ優秀な外国人が日本で長く就労してもらう為に、外国人が安心して生活できる支援体制の整備が急務となっています。
まとめ
今回は閣議決定された特定技能2号拡大に伴い、外国人就労者定住への課題について考えてみましたが、いかがでしたか?
現在特定技能1号として就労している外国人外国人の方々が、日本は働きやすく、家族を呼び寄せて定住も可能な国として2号へ移行し、定住し、継続して就労してくれると嬉しいですね。またこれから日本での就労を考えている外国人の方々にとっても定住の道が開けることで「日本を選んで」就労に来てくれる日本就労の魅力の一つになってくれるといいのですが、それにははやり、受け入れ態勢の充実が必須です。
もし自分が外国で外国人として働きながら家族と暮らすとしたら、どのようなサポートがあったら安心か、外国人の立場に立って共生の道を探る姿勢が求められているように思います。
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