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アジア外国人材がこれからも日本を選ぶか~急速に進む中国の少子高齢化~

こんにちはOGR事務局です。

 

日本が少子高齢化を迎えて久しいですが、人口14億人を誇る中国でも、少子高齢化問題に直面しています。1979年以降本格実施した「一人っ子政策」によって減少した出生率も回復の兆しを見せるどころか、日本を上回るペースで進んでいます。

 

中国の「団塊の世代」退職問題

先日、日本経済新聞に「2億人退職 衰える活力」という記事が掲載されました。中国の法定退職年齢は現在男性60歳、女性55歳ですが、政府内では30年かけて男女の退職年齢を65歳に引き上げする案が検討されています。

背景には中国の「団塊の世代」である1963年~75年生まれ(各年2000万人を超える)が一斉に法定退職年齢に到達すれば、2023年から10年間で退職者数は計2億2800万人に及び、一気に現役世代が減少します。このままでは経済成長の阻害要因になりかねない為、定年延長議論が浮上したというわけです。

 

社会保障負担では2022年に現役2.26人で高齢者1人を支えていたのが、20年後(2042年)には1.25人まで減る計算になります。日本では内閣府の調査によると1950年には高齢者一人を12.1人の現役世代(15~64歳の者)がいたのに対して、平成27(2015)年には65歳以上の者1人に対して現役世代2.3人となっており、今後、高齢化率が上昇し、現役世代の割合は低下することを考慮すると、令和47(2065)年には、65歳以上の者1人に対して1.3人の現役世代という比率になると予測されています。

引用:第1章 高齢化の状況(第1節 1)

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html

 

増え続ける高齢者に対して、出生率が伸びず、少子高齢化社会になっていく構造は日本とよく似ています。いま日本が抱えている問題が中国でも起きているのです。

 

中国の介護事情~人材不足の現状~

中国の介護事情については正式な調査結果はありませんが、JETROのホームページに「政府や有識者の間では約4,000万人という数字が広く使われている。一方で、ヘルパーの数は約30万人にとどまる。介護人材不足が深刻と言える。」という記述があります。介護人材不足が深刻化している点も現在の日本の状況と同じですね。

引用:JETRO 介護人材不足が深刻(中国)https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/4550aa0c5cc6c400.html

出典:JETRO 介護人材不足が深刻(中国)https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/4550aa0c5cc6c400.html

 

 

中国でも介護人材の育成に力を入れ、北京市政府は介護職の待遇改善のために2020年、新規卒業者で介護施設に入社し介護サービスに従事する者に対する「入職奨励金」(4万~6万元:784,000円~1,146,000円)、および介護サービス従事者に対する「在職補助金」(500~1,500元/月:約9,550円~28,625円/月)を支給する優遇策を打ち出すなど、苦慮しているようです。

※1中国人民元=19.1円で計算

 

北京政府「北京市介護サービス人材養成実施法」2021年1月1日施行

国が北京の学生もしくは専門学校や大学、北京の中高専門学校の新卒者、または卒業して1年以内の卒業生を募集し、市の介護サービス機関に入学した上で介護サービスに従事する場合、学部生以上は6万元(約1,146,000円)、短大(高等専門学校)は5万元(約955,000円)、中等専門学校は4万元(約764,000円)を基準に入職奨励金を支給する。 奨励金は、申請者が介護サービス機関に1年間勤務した後、助成基準の30%、30%、40%を3年かけて卒業生本人に直接支給されます。

引用:北京日報2020年11月28日「养老护理员每月最高可享1500元津贴」を翻訳したものです

 

北京市政府が「介護人材確保」をいかに重要視しているかがわかります。

 

ちなみに大学で養老関連分野を専攻している大学生が希望する月給は、3,001~5,000元(約57,319円~95,500円)が全体の32.4%、5,001~7,000元(約95,519円~133,700円)が40.1%を占めています。しかし北京市、上海市、広州市のヘルパーの平均月給は4,000~5,000元(約76,400円~約95,500円)となっており、学生の希望する月給よりも低い水準になっています。

※1中国人民元=19.1円で計算

 

引用:JETRO 介護人材不足が深刻(中国)https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/4550aa0c5cc6c400.html

 

介護人材確保は他国でも大きな課題!

中国でも介護分野における人材確保は大きな課題になっていきます。日本では既に海外からの介護人材雇用を開始していますが、今後は中国も海外人材の獲得に乗り出してくるでしょう。円安の影響もあり、台湾や香港、韓国など、日本ではなく、他国での就業を選ぶ外国人はこれから増えることが考えられます。

人材不足はすでにグローバル規模です。外国人材は採用したいと思っても今日、明日にすぐ採用できるわけではありません。「そのうち外国人雇用を考えよう」ではなく、ぜひ今お問合せだけでもしてみて下さい!

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